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舞台俳優ファンの観劇記録

SSS第34弾『ヘンリー五世』:全体

 念願叶って彩の国シェイクスピア・シリーズ第34弾『ヘンリー五世』を観劇してきました!!!

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 ずっと憧れていたシリーズをようやく観ることができて、なんだか本当に「ようやく」という感激で会場に入るだけでも胸がいっぱいになってしまいました。もしもっと早くシェイクスピアを好きになっていれば、観劇を好きになっていれば蜷川さんの演出を生で観ることができたかもしれないと若干の悔しさはありつつも、吉田鋼太郎演出のヘンリー五世を堪能して帰ってきました。

 

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ヘンリー五世

脚本:W.シェイクスピア

翻訳:松岡和子

演出:吉田鋼太郎

 劇場:彩の国さいたま芸術劇場

   大ホール 

日時:2019年2月24日(日) 13:30開演


音楽:まさか生演奏があるとは思わず驚きました。一発目のファンファーレで感極まって涙が出たので本当に最初の最初から引き込んでもらえたと思います。音楽というより音響として全体的に圧がすごすぎたので若干マイナスにしましたが、当時に近い環境で観劇している気持ちになれてとてもよかったです…!曲も素敵でした。ギター曲の雰囲気好きです(語彙力)


演出:事前に読んだ某紙の劇評では多少手厳しいことも書かれていたんですが、私は好き!です!!以前観た作品よりも明るく軽やかに楽しめる構成でしたし、通路前の当日席だったこともあって臨場感と迫力もより一層感じられました。唯一ハラハラしたのが捕虜が階段を転げ落ちるシーンで、そこと冒頭の映像あんなに要るかな?という理由で-2しています。


舞台装置:7の理由は上で挙げた階段の怖さです。安全にできるよう配慮されているのでしょうし、その他のシーンでは全く気にならなかったんですがどうしても…。小道具では剣が印象的で、取り落す場面で重そうな音がしていたのが好きです。あと弓の仕掛けがすごかった!!時間差といい落ち方といい興奮しました。貴族が皇太子を盾で庇ってたのも好き。


殺陣魔界転生を頭に置いて行ったのでちょっと基準がおかしくなっている感は否めませんが、乱戦の最中ヘンリーだけが若干手を順番にこなしているように思えて残念だったかなと。ヘンリーの他の場面は堂々としてかっこよかっただけに余計に気になったのかもしれません。敵味方入り乱れての戦闘は迫力あってかっこよかったです!客席を駆け抜けてはけたと思ったらすぐ舞台上に登場してスピード感にびっくりしました。


キャスト中河内さんのピストルがとてもよかった!!!!めちゃくちゃかっこよくて、これはずるいと思ってしまいました。河内さんは出てきたと思ったら相変わらずのインパクトだし、鈴木さんは可愛らしい弟だし。ヘンリーもとても良い人そうで、観ていて気持ちの良いキャラ付けでした。あと、キャサリンが嫁入りを嫌がってなさそうだったのが一番救われた。純真で可愛らしい素敵な姫でした。


衣装:とにかく豪華!!布がふんだんに使われているからマントの翻りが美しいし、光の反射がつややかで高級感がありました。ヘンリーの戦装束はやや兵士に沈む気もしますが、黒マントに憂鬱さと色気があって素敵でした。皇太子の普段着は明るめな水色がちょっと幼く子供っぽくて、キャラにぴったりだったと思います。衣装にお金かかってる舞台、いいなあ…


 

 贔屓目もあるかもしれませんが、個人的にはすごく楽しめた作品でした!前回観た新国立劇場のヘンリー五世は重々しく暗めな雰囲気だった一方、今回は良い意味の軽さがあってエンタメ的に観られたのもよかったです。

 次回は阿部寛さんでヘンリー八世をやるということで、もう期待しかありません…観たい………

 今回は当日引換券の前日web販売を利用しましたが、繋がりにくくなることもなくスムーズに購入できました。席も1階最後列という通路前席で、出入りする方々の勢いを感じられる良い席だったのでまた利用したいと思います。パイプ椅子とはいえクッションも付いていて、約3時間の観劇でも体への負担は少なかったです。

 B席だとどの辺りになるのかわかりませんが、ちょうどいい広さの劇場なので角度がきつくなければ比較的どこからでも観やすいのでは?もっと広大な空間だと思っていたのでいい意味で予想外でした!全体的にA席・B席の価格もお手頃だし、U-25の2,000円は破格です。公の劇場っていいですね!

 

 ひとまず全体の感想はここまでとします。2日からの仙台・大阪公演も無事終わりますよう願っています!