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舞台俳優ファンの観劇記録

髑髏城の七人<下弦の月>:①廣瀬蘭兵衛のここがいい / その1

 かなり間が空いてしまいました(°ー°)

 今月の当ブログPV数が100を越えたそうです。スカピン以外ほとんど更新していないにも関わらず、ありがとうございます。

 今回は髑髏城の七人下弦の月公演の蘭兵衛さんについて少し書こうかなと。機構トラブル回1回、それ以外を初日含めて2回観ていますが、毎回新しいところに気付いたり友人と感想を交換しているうちになるほどと思うこともあったり、観劇って面白いなあという思いを新たにしています。

 

 ところで先日は月髑髏の舞台映像がテレビで放送されていましたね。舞台や特別手品、制作発表もよかったですが稽古場での鈴木さんの姿に改めて落とされた気分です。あの椅子の座り方も好きなんですが台詞言うときの表情付けがとにかく好きで…

 ブログタイトルが①だったりその1だったりするのはどうせこれから増えるだろうなという気持ちの表れです(笑) 登城平均は週1いかないくらいですがまだまだ行きますよ〜

 それでは以下ラストまでのネタバレを含みますのでまだご覧になりたくない方はご遠慮ください。今回は考察などはほとんど含まれない、キャラクターとしての蘭兵衛さん語りです。

 

 

 

1 ) 蘭兵衛さんは美しい

 まず何よりも言いたいのは、蘭兵衛さんはほんっっっとうに美しい!!!!!どの角度でもどのシーンでも美しいし、本当に廣瀬さんの造形どうなってんの?とすら思います。

 お顔もそうですけれど手指まで美しくて、「俺の三途の川は血塗れなんだ」からの笛吹きは指の細長さと白さが際立ってとても綺麗。音響も相まってほんとに吹いているように見えるのでまた雅ですね…。

 彼の口上はどちらもとても好きですが、その言い方がまた良き。タメとか間のバランスなのかな…あそこだけ何回も取り出して観たいくらいです。そもそもの言葉自体も流麗で、それを殺陣に合わせて陰を感じさせつつ朗々と紡いでいく廣瀬さんを拝みたい。そしてキャラクターとしての蘭兵衛という男があの言葉を自分の中から出してきたという事実にも震えます。教養や言語センスが光ってる………好き……ここで血飛沫が(照明で)飛んでいることに3回目で気づいたんですが彼の隠された森蘭丸の好戦性を感じてゾクゾクします。これについてはまた日を改めて。

 廣瀬蘭兵衛さんは見目麗しいだけでなく小さな仕草までもなんだか優雅な感じがして、最初に出てきたときの行灯を消す「フッ」て息の吹きかけかたも高貴さ抜群なのと息の音拾ってくれたマイクGJという気になりました。息の音大好きです。そりゃあ信長も最愛の小姓としてそばに置くよね…と顔も出てこない信長に共感してしまう、握手したいし蘭丸かわいい話で盛り上がりたい…。

 余談ですが、私が思い浮かべてしまう信長さまは赤いマントがよく似合う少し背の低いあのお方です。こればっかりはもうどうしようもなかった。きっと蘭丸のことをひたすらに可愛がって可愛がって、最期まで愛しさゆえに彼の生を願ったんだろうなと思ったらあのお方のイメージがしっくりきてしまって。「蘭兵衛」さんにはなぜだか純粋の白が似合う印象があります。以前は小姓として大切にされていたんだろうなと、ずっと一途にお仕えして寵愛を一身に受けていたんだなと思わされる気がするのです。天魔王からしたらとんでもない話かもしれませんが…。

 

2 ) 蘭兵衛さんは気が優しい

 無界屋、いん平が駆け込んでくるシーン。きゃあっと後ずさる女性陣を背中にかばう蘭兵衛さんが楼主らしくてグッときます。彼女たちを守るのは自分だと言わんばかりの保護者の自覚を感じる。

 大半はひたすら太夫と一緒に立っている感じですが、それも太夫を安心させようとしている感じで肩を抱いて視線を合わせるが如く少し屈んで「大丈夫だよ」って……ハーーー!!!言葉にならない。柄にもなくグッときました。2回目に行ったときにあの騒ぎの中でそう聞こえたんですが、うまく蘭兵衛さんと誰かのマイクがいい距離角度になって拾ってくれたんだと信じています。私は確かに聞いた。

 その後に兵庫が訛ったのを聞き返すところもその日は蘭兵衛さんの声がしっかり入って聞こえていて、ああ…この人こんなにのんびりほのぼのしてたんだ…とほっこりすると同時に愛おしくて思い返すと涙が出そうです。

 きっと彼が危険を冒してまで単身天魔王に会いに行った直談判も、殿という一単語に揺らいでしまった寝返りも、どちらも彼の優しさに起因したものだと思います。優しいからこそ自分を生かしてくれた無界の人びとを救おうとし、優しいからこそかつて忠義を誓った信長への想いを断ち切れなかった。忘れよう生きようとしつつもどこかで捨てきれなかった想いが溜まりに溜まっていたからこそ、天魔王がちょっとつついただけで揺らいでしまったんじゃないでしょうか。(もちろんつつき方がとんでもなくうまいというのもありますが)

 最初に天魔王と邂逅した際も、「森蘭丸」と呼ばれただけで簡単にぐらついてしまいかなり影響を受けているところからいかに信長への未練が強いかを思い知らされます。捨之介のように割り切れるわけでもなく、蘭丸としての自分を捨てきれなかった蘭兵衛さん…どこまでも愛おしい。どんな気持ちで8年間過ごしていたのかな。

 

3 ) 蘭丸さんはひたすら可愛い

 蘭丸さんになってからはお衣裳替えや髪型替えが続いて出てくるたびにため息つきたくなりました。どれをとっても本当によく似合って美しくて可愛くて、衣装スタッフさんにお礼を申し上げたいくらいです。

 特に捨之介を斬るところは結っていない髪が幼さを感じさせてかわいく、また衣装も天魔王との双子感があって大変ツボにはまりました。いやー髪結ってないとシルエットがそっくりそっくり。身長はわりと違うのに。私服(?)豪華ですよね〜…。からの無界屋襲撃、ポニテポニテ……!?!?と驚愕しましたがやはり小姓時代に寄せてるんだろうなーと。"蘭丸"らしい髪型で胸が熱くなりました。無邪気さが際立ってすてきです。

 ときにあの衣装、果たして天魔王が手持ちの中から(にこにこご機嫌で)選んであげたのか、勝手に自分で選んだのか、とても気になりませんか。捨之介と遭遇するまでそんなに時間はなかったはずですが、そこまでの2人のやりとりが妄想膨らみますね。ほれほれこれを着ろ蘭丸、とか言ってる天魔王も捨てがたいしずかずか衣装部屋に入ってこれをよこせって横柄な態度の蘭丸も見たい。蘭丸さん結構天魔王に強気ですよね?この強気さについては今捨之介と信長様含めた関係性の考察を進めているのでそちらに書きます。考えれば考えるほど深みにはまる感じがあってなかなかまとまりません。

 あの夢見酒塗れもとい血まみれになった装束は捨てたのかな…2度目は口移し後ひたすら蘭丸さんを観ていたのですが、とにかく顎の裏まで赤く染まった姿がただただ圧倒的な美しさでした。白い肌と碧い着物に赤い色がよく映えますね…

 「それよりも先に片付けておくべき男がいる、来い」の「来い」、初日は割とクールにさらっと(もしくはふわーっと夢見心地な感じが)していた印象だったのですが6日はもっと力強くてはっきりしていて、ぎゃ〜〜〜!好き!となりました(語彙力)。音でいうなら「来ぉい」→「来いッ」のような。それまで一人称も「私」でちょっと控え目というか抑えめでゆったり優美な感じだった蘭兵衛さんが、一気に俺様になったこの感じ正直堪りません。蘭丸くん昔っからこんなオラオラしてたのかと思うとかっこいいですね?かっこいいのにかわいくてどうしたらいいのかわかりません、好きです。

 差といえば、その前の「先に行ってくれ、すぐに行く」「…ああ」も6日のほうが楽しそうに聞こえました。「あぁ♪」って実に楽しそうにフラフラ〜っと扉の奥に消えていく姿にどこかワクワクしているような高揚感を感じました。蘭丸という人格がずっと抑圧されていたところから解放されて、熱に浮かされたように興奮しているようなそんな感じ。夢を見るってこういうことなんでしょうかね…。

 蘭丸として覚醒してからの彼はとても活力があって元気な感じが良い。6日の感想なのでその後どう変化しているかわからないのですが、ああ早く観たい!!順当に行けば次は25日なので遠いです…

 2幕終盤、「天魔王ーー!!天魔王ーーーー!!!!」って上手から走ってくる蘭丸があまりにも可愛くてどうしようかと思いました。ぷんぷん!っていう擬音が見える。そのあとの「どこへ言っていたこの肝心な時に!」もまったくおまえはしょうがないな!というニュアンスを感じて小姓時代からこんな感じだったのかなと微笑ましくなったりも。戦に向けてワクワクしている蘭丸さん、していることはえげつないのに本当に無邪気で子供みたいですね…。

 

 

 話題が天魔王と蘭丸 / 蘭兵衛の関係に入ってしまいそうになったので中途半端ですが今回はこの辺で。きっと次に観に行ったらまた新しい蘭兵衛が観られるんだろうなと今から楽しみです。殺陣もさらに速くなってるんだろうな…!!期待しかありません。

 それではまた次回、今度はあまり遅くならないうちに上げられたらと思います。ここまで読んでくださりありがとうございました(^ ^)もしよければ読んでくださった方の蘭兵衛ポイントも聞いてみたいものです。